金剛界曼陀羅の仏たち(4)
62.帝 釈 天(たいしゃくてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 シャクラ 密号 金剛器杖 | |||||
身体は金色。外金剛部二十天の内の一尊。密号の金剛器杖は武器のことで金剛杵のことを言い、金剛杵は稲妻を現している。帝釈天はの出生は自然現象の稲妻に由来し、武器である金剛杵を持っていることから戦闘の神様で、後に仏教の守護神になった。 | |||||
成 身 会 | 宝冠を冠り、羯磨衣を着ている。右手は胸の前で独鈷杵を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に独鈷杵が立っている。 | ||||
微 細 会 | 宝冠を冠り、羯磨衣を着ている。右手は胸の前で独鈷杵を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 宝冠を冠り、羯磨衣を着ている。右手は胸の前で独鈷杵を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 宝冠を冠り、羯磨衣を着ている。右手は胸の前で独鈷杵を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に独鈷杵が立っている。 |
63.日 天(にってん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 アーデイトヤ 密号 金剛軍荼利 | |||||
身体は肉白色。外金剛部二十天の内の一尊。 | |||||
成 身 会 | 右手は胸の前で日輪を掲げており、左手は金剛拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に日輪が載っている。 | ||||
微 細 会 | 右手は胸の前で日輪を掲げており、左手は金剛拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手は胸の前で日輪を掲げており、左手は金剛拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手は胸の前で日輪を掲げており、左手は金剛拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に日輪が載っている。 |
64.月 天(がってん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 チャンドラ 密号 金剛光 | |||||
身体は白肉色の童子形。外金剛部二十天の内の一尊。月の光は冷たく輝いており、煩悩の熱悩を冷まして清涼の境地に導く徳がある。 | |||||
成 身 会 | 右手は胸の前で半月を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に半月が載っている。 | ||||
微 細 会 | 右手は胸の前で半月を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手は胸の前で半月を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手は胸の前で半月を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に半月が載っている。 |
65.金剛食天(こんごうじきてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァジュラマーラ 密号 金剛鬘 | |||||
身体は白肉色で頭は像で身体は人間(ガネーシャ)。外金剛部二十天の内の一尊。 | |||||
成 身 会 | 右手に華鬘を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に華鬘が載っている。 | ||||
微 細 会 | 右手に華鬘を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手に華鬘を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手に華鬘を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に華鬘が載っている。 |
66.彗 星 天(すいせいてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ケート 密号 金剛杖 | |||||
身体は白肉色。外金剛部二十天の内の一尊。歳星天ともいうが、これは土星のことであるという。 | |||||
成 身 会 | 右手を拳にして腰におき、左手はバイを持っている。バイはお寺の内陣で鐘を打つ棒です。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 | ||||
微 細 会 | 右手を拳にして腰におき、左手はバイを持っている。バイはお寺の内陣で鐘を打つ棒です。 | ||||
供 養 会 | 右手を拳にして腰におき、左手はバイを持っている。バイはお寺の内陣で鐘を打つ棒です。 | ||||
降三世会 | 右手を拳にして腰におき、左手はバイを持っている。バイはお寺の内陣で鐘を打つ棒です。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 |
67.ケイ惑天(けいわくてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ピンガラ 密号 金剛氷我羅 | |||||
身体は白肉色。外金剛部二十天の内の一尊。火星のこであるという。 | |||||
成 身 会 | 右手は火を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉に火聚がある。 | ||||
微 細 会 | 右手は火を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手は火を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手は火を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉に火聚がある。 |
68.羅 刹 天(らせつてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ラークシャサ 密号 金剛母娑羅 | |||||
身体は白肉色。外金剛部二十天の内の一尊。十二天・八方天の一尊として、西南を守護する。密号の母娑羅は杵・棒を意味する。 | |||||
成 身 会 | 右手はバイを持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 | ||||
微 細 会 | 右手はバイを持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手はバイを持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手はバイを持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 |
69.風 天(ふうてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァーユ 密号 金剛風 | |||||
身体は赤色。外金剛部二十天の内の一尊。 | |||||
成 身 会 | 右手に風幢を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に風幢が立っている。 | ||||
微 細 会 | 右手は風幢を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手は風幢を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手に三鈷戟を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に風幢が立っている。 |
70.金剛衣天(こんごうえてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァジュラヴァシー 密号 金剛愛持 | |||||
身体は白肉色。頭が象で体が人間(ガネーシャ)。名前についている衣は、この尊の大悲を意味しており、母胎に宿った胎児を包み込む胞衣に喩えられているという。 | |||||
成 身 会 | 左手に弓を持ち、右手に箭(矢)を持って引いている。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に箭弓が載っている。 | ||||
微 細 会 | 左手に弓を持ち、右手に箭(矢)を持って引いている。 | ||||
供 養 会 | 左手に弓を持ち、右手に箭(矢)を持って引いている。 | ||||
降三世会 | 左手に弓を持ち、右手に箭(矢)を持って引いている。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に箭弓が載っている。 |
71.火 天(かてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 アグニ 密名 金剛火 | |||||
身体は赤肉色。外金剛部の二十天の一尊。形に違いがあり老人でもあるとも、青年であるとも言われている。老人は聖なる火として古代から祭られてきたからであり、青年は毎朝、火壇に灯されるので若々しいからであるという。 | |||||
成 身 会 | 右手は胸の前で三角の火焔を持ち、右手は肩の所で拳にして人差し指で天を指している。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に三角の火焔が載っている。 | ||||
微 細 会 | 左手は棒を持ち、右手は三弁宝珠を持っている。 | ||||
供 養 会 | 左手は棒を持ち、右手は珠を持っている。 | ||||
降三世会 | 左手は剣を持ち、右手は三角火焔を持っている。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に三角の火焔が載っている。 |
72.毘沙門天(びしゃもんてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァイシュラヴァナ 密名 金剛大悪 | |||||
身体は金色。外金剛部の二十天の一尊。ヒンドゥー教でのクベーラという神のことで福徳を授けるという。 | |||||
成 身 会 | 左手は塔を持ち、右手はバイを持っている。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 | ||||
微 細 会 | 左手は塔を持ち、右手はバイを持っている。 | ||||
供 養 会 | 左手は塔を持ち、右手はバイを持っている。 | ||||
降三世会 | 左手は塔を持ち、右手はバイを持っている。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上にバイが立っている。 |
73.金剛面天(こんごうめんてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァジュラーンクシヤ 密号 金剛鉤 | |||||
身体は赤黒色。外金剛部の二十天の一尊。ヒンドゥー教の神話では、野生の猪はヴィシュヌ神の化身で、猪の姿に現れるという。 | |||||
成 身 会 | 右手で三鈷鉤を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に三鈷鉤が立っている。 | ||||
微 細 会 | 右手で三鈷鉤を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手で三鈷鉤を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手で三鈷鉤を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に三鈷鉤が立っている。 |
74.焔 摩 天(えんまてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヤマ 密号 金剛葛羅 | |||||
身体は赤黒色。外金剛部の二十天の一尊。密号の葛羅は時間を意味し、時間は人間の死をもたらし、この世を破壊するので神格化されたものであるという。ヒンドゥー教ではヤマは人類最初の死者であるとして死後に南方に楽園を発見したという。 | |||||
成 身 会 | 右手に檀拏(だんだ)を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に檀拏が立っている。檀拏は杖のことで、焔摩が死後の人間を裁く正義の法・刑罰を象徴している。 | ||||
微 細 会 | 右手に檀拏(だんだ)を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
供 養 会 | 右手に檀拏(だんだ)を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世会 | 右手に檀拏(だんだ)を持ち、左手は拳にして腰におく。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に檀拏が立っている。檀拏は杖のことで、焔摩が死後の人間を裁く正義の法・刑罰を象徴している。 |
75.調 伏 天(ちょうぶくてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァジュラジヤヤ 密号 最勝金剛 | |||||
身体は白肉色で象頭人身。外金剛部の二十天の一尊。密号は勝利を導くものという意味で、一切に勝利するということです。 | |||||
成 身 会 | 右手は拳にして腰にあて、左手は三鈷剣を持っている。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に三鈷剣が立っている | ||||
微 細 会 | 右手は三鈷剣を持っており、左手は剣にして腰にあてる。 | ||||
供 養 会 | 右手は三鈷剣を持っており、左手は剣にして腰にあてる。 | ||||
降三世会 | 右手は三鈷剣を持っており、左手は剣にして腰にあてる。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に三鈷剣が立っている |
76.毘那耶迦(びなやか) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴィナーヤカ 密号 金剛頻那夜迦 | |||||
身体は白肉色。外金剛部の二十天の一尊。毘那耶迦は大自在天を烏摩の子で、悪事を行っていたが、観音様に惚れたが観音様が性格を改めることで願いを許したという。毘那耶迦は常に障碍を起こすので、観音様が傍らにいて災難を除くという。 | |||||
成 身 会 | 左手に羅蔔根(らふこん)大根のことを持ち、右手は歓喜丸を載せている。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に歓喜丸(かんぎがん)が載っている。 | ||||
微 細 会 | 左手に歓喜丸を持ち、右手に羅蔔根を持っている。 | ||||
供 養 会 | 左手に歓喜丸を持ち、右手に羅蔔根を持っている。 | ||||
降三世会 | 左手拳にして腰に置き、右手に羅蔔根を持っている。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に歓喜丸(かんぎがん)が載っている。 |
77.水 天(すいてん) | |||||
成 身 会 | 三昧耶会 | 微 細 会 | 供 養 会 | 降三世会 | 降三世三昧耶会 |
梵名 ヴァルナ 密号 龍金剛 | |||||
身体は浅青色。外金剛部の二十天の一尊。 | |||||
成 身 会 | 左手は拳にして腰に伏せる、右手は龍索を持っている。 | ||||
三昧耶会 | 蓮の葉の上に龍索が載っている。 | ||||
微 細 会 | 左手は拳にして腰に伏せる、右手は龍索を持っている。 | ||||
供 養 会 | 頭上に龍を載せ、左手は拳にして腰に伏せる。右手は龍索を持っている。 | ||||
降三世会 | 頭上に龍を載せ、左手は拳にして腰に伏せる。右手は龍索を持っている。 | ||||
降三世三昧耶会 | 蓮の葉の上に龍索が載っている。 |
78.賢劫千仏(けんごうせんぶつ) | |
賢は善き勝れたという意味で、劫は無限の時間(期間)を指す。千は無数という意味なので、『無数の仏が現れて衆生を救済する、善き勝れた時代』という意味で現在を指しているという。千仏は過去にも出現したし、未来にも出現するという。 千仏の名前は殆どが仏の美徳や威力を称賛したもので、その名前を唱えると功徳を得られるという。 |
79.慾金剛菩薩(よくこんごうぼさつ) 梵名 イシュタヴァジュラ | |
理趣会 身体は赤肉色。宝冠を戴き、瓔珞を着け、箭を両手で持っている。欲望が堅固なことを意味する。仏の智慧から見たら生活活動の本源の愛欲は、仏を求める欲望と同じであるとされる。金剛サッタの境地では、はかない快楽を超えた、大いなる快楽を求める欲望であるので、仏陀を求める菩提心の展開と見なされる。 |
80.触金剛菩薩(そくこんごうぼさつ) 梵名 ケーリキラヴァジュラ | |
理趣会 身体は白肉色。冠を戴き、瓔珞を付け、両手を金剛拳にして胸の前で交差している。 蝕は眼・耳・鼻・舌・身を通して、悦楽の対象に触れようとする欲望を意味する。前の慾金剛菩薩の愛欲をそそる働きを受けて、愛欲が感覚的な欲望を対象として触れている悦楽を表し、この感覚的欲望を満たす男女の触れ合いさえも、仏の智慧の眼で見れば菩提心に触れて喜ぶことを現している尊である。 |
81.愛金剛菩薩(あいこんごうぼさつ) 梵名 ラーカヴァジュラ | |
理趣会 身体は青色。両手で羯磨幢を持ち、左側に立てる。 愛は貪欲のことで、この尊は衆生の具える愛欲を尊格化したものです。菩提を得て衆生の心と一体になろうとする働きと同質とされる。すべての衆生を限りなく愛する仏の永遠の真実が働いていることを現している。 |
82.慢金剛菩薩(まんこんごうぼさつ) 梵名 マーナヴァジュラ | |
理趣会 身体は黄色。両手を金剛拳にしてモモに置き、頭を少し左に傾けている。 慢はおごり高ぶりのこと。慾金剛で肉体的欲望に向かい、触金剛で相手との触れ合い、愛金剛で感覚を満たし、慢金剛で満たした思いに満ち足りた心境になるという。おこり高ぶりも仏の智慧の眼で見れば、仏の慈悲の働きを同質のものであるという。 |
83.降三世明王(ごうさんぜみょうおう) | |
梵名 トウライロークヤビジャヤ 阿@如来の四親近の第一尊。金剛サッタの位置する場に代わって描かれる。金剛サッタの忿怒の姿を描いたものが降三世明王です。三界(欲界・色界・無色界)の諸天は慈悲をもって説いても帰依しないので、忿怒の相で教化したが、大自在天だけはいう事を聞かなかった。そこで金剛サッタは忿怒身となり明呪を唱え、大自在天を烏摩を降伏させた。 |
|
降三世会 身体は青黒色。四面八臂、火の髻冠、各顔に三つの眼がある。正面は青色、右面は黄色、左面は緑色、後面は赤色。 左右の第一手は胸の前で印を結んでいる。 第二手の右は金剛杵を持ち、左は三鈷杵を持っている。 第三手の右は矢を持ち、左は弓を持っている。 第四手の右は刀を持ち、左は索を持っている。 左足は大自在天を踏み、右足はその妻である烏摩を踏んでいる。 |
|
降三世三昧耶会 十字五鈷杵 |
84.大威徳明王妃(だいいとくみょうおう) | |
梵名 ヤマーンタカー 外金剛部の四隅に描かれている明王妃は、古くから議論がなされ、どう解釈するべきかが問われているという。曼陀羅によっては明王が描かれている。 |
|
降三世会 身体は濃い灰色で天女形。左手は拳にして腰におき、右手は三鈷戟を持っている。 |
|
降三世三昧耶会 三鈷杵 |
85.軍荼利明王妃(ぐんだりみょうおうひ) | |
降三世会 梵名 クンダリー 身体は紫灰色で天女形。左手は拳にして腰におき、右手は刀を持っている。 一説では吉祥天と言われている。 |
|
降三世三昧耶会 三鈷杵 |
86.降三世明王妃(ごうさんぜみょうおうひ) | |
降三世会 梵名 ヴァジュラf−ンカラー 身体は灰色で天女形。両手で蓮華を持っている。 一説では弁財天と言われている。 |
|
降三世三昧耶会 三鈷杵 |
87.不動明王妃(ふどうみょうおうひ) | |
降三世会 梵名 アチャラナーター 身体は青灰色で天女形。クゴ(ハープ)を持ち、曲を奏でる姿。 |
|
降三世三昧耶会 三鈷杵 |